奥歯のむし歯治療には詰め物(インレー)と被せ物(クラウン)とがあります。
一般的にはむし歯のサイズが小さければインレー、大きければクラウンとすることが多いでしょう。
今回はそのクラウン治療についてお話しします。
むし歯が大きかったり、神経をとったあとの歯では、強い力がかかると歯が欠けたり、割れてしまうことがあります。
そのような場合、クラウン治療で全体を覆い、歯の破折を防ぐようにします。
問題なのはクラウン治療を施すため便宜的に残っている健康な歯質を大きく失ってしまうということです。
セラミック治療を例にとると健全な歯と比較すると、約60〜70%程度の歯質を失うとされています。
このことは私たち歯科医療従事者は重く受け止めなければなりません。
歯が破折しないようにするために余計に大きく歯を削るという、矛盾した医療行為を行うわけですから。
歯は削る量が増えるほど、再治療はできなくなるし、寿命も短くなる傾向にあります。
それではクラウンをせずに済ませる方法はないでしょうか?
そこで提案したいのがオーバーレイという治療方法です。
オーバーレイとはクラウンのように噛み合う面は覆いますが、歯を根本の方まで削ることはありません。
この方法ですと歯を削る量を30%以下に抑えることができます。
つまり歯を割れにくくしつつ、極力健康な歯質を残すことが可能な治療です。
ちなみに当院の自由診療でクラウン治療を行うことはほぼありません。
(健康保険治療は削る量が多い治療のため、残念ながらすべてクラウンです。)
一見すると外れやすそうなオーバーレイ治療ですがその予後経過も問題ありません。
当院ではほとんど毎日セラミックオーバーレイ治療をしており、相当数の実績がありますが1本も外れたことはないです。
こちらは上の一番奥歯にオーバーレイセラミックを装着している様子です。
歯を根元まで削ることなく、上半分だけオーバーレイにて覆うようにします。
ちなみにインレー、アンレー、オーバーレイなどのセラミック治療にはラバーダム防湿が必要不可欠です。
本症例も丁寧にラバーダム防湿を行いセラミック接着の準備をしました。
こちらがセラミックオーバーレイを装着した様子です。
このあとラバーダムを外し、微調整、界面の研磨を行います。
こちらが術後の様子です。
目視では歯とセラミックとの継ぎ目がほとんど分からないのではないでしょうか?
見た目が自然だということに加えて欠けたり割れたりする心配もありません。
※このように良好な経過を達成するためには高度な接着技術、技工士の能力、接着プロトコルの工夫があるためです。
従来通りの一般的なセラミック接着を行うと高い確率で割れます。
材質にジルコニアは使いません。ガラスセラミックです。
このオーバーレイセラミックを用いることの利点をまとめます。
・歯を削る量がクラウンの半分以下
・見た目が自然である
・正しい接着技術があれば破損しない
上記の利点を活かすことで歯の寿命が延びます。
すなわち入れ歯やインプラントになる可能性が大きく減少すると考えられています。
それは将来の自分の食生活を守る選択になりうるのです。
また抜歯を回避し、入れ歯やインプラント治療を避けることができれば経済的な利点もあります。
今回のまとめ
「歯医者さんに言われるがままに安易にクラウン治療を受けることはやめましょう!」
もっと良い先進の歯科治療を当院ではご提供できます。
ご自身の歯を削りたくない方、治療内容について疑問がある場合、下記IDのアカウントにDM頂ければご質問にお応えいたします。
instagram:shinya_dds
Facebook:飯田 真也
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歯科医師
飯田真也