ジルコニアか?e.maxか?論争に終止符を打つべく始めた連載第2回は、実際の選択基準について解説します。
前項をお読みで無い方はぜひこちらも参考になさってください。
①どっちがいいの?ジルコニア?e.max? 性質編
選択基準を考える際に治療する歯の条件について考えてみましょう。
・前歯に用いるのか?
・奥歯に用いるか?
・噛む力や歯ぎしりが強いのか?そうでもないのか?
・審美性を求めるのか?
・割れにくい強度を求めるのか?
・歯を削る量は通常通りでいいのか?少なくしたいのか?
・元の歯の色は自然な色なのか?
・濃く変色してしまっているのか?
など様々な条件が考えられます。
前項でも述べましたがそれぞれの性質について簡単におさらいしましょう。
・e.max:ガラスセラミック材料の製品名(Ivoclar vivadent社)
利点:元の歯の色調に調和しやすい
そこそこ強度もある
欠点:口腔内の酸によって経年的に色がくすんでいく
ジルコニアよりかは強度が低い
・ジルコニア:ノンシリカ系セラミックの1種であり、一般名
利点:セラミックの中で最も強度が高い
モノリシックジルコニアであれば歯を削る量を多少少なくできる
欠点:強度が高すぎるため、歯が割れる可能性がある
e.maxより透明度が低い
ものすごく簡単に述べると上記のような性質を有しています。
それではまずは前歯を修復すると仮定して個別の例を挙げてみて考えてみましょう。
ジルコニアセラミック装着前の状態
ジルコニアセラミック装着直後の状態
例)あなたは前歯に1本だけ昔治療したクラウンが入っています。
時間も経っており、見た目が変色しており審美性に劣ります。
今回セラミックに置き換えて綺麗な見た目に改善することとなりました。
このような症例であった場合、どんな素材を選択するでしょうか?
まず考える項目はその歯の状態です。
古いクラウンを外した後の歯の変色はどうでしょう?
神経を取ってあったりして歯が黒かったり、土台に金属が埋めてあり、変色が強い場合には、変色を遮蔽できる材料で綺麗な見た目にする必要があります。
このような場合には光遮蔽率の高いジルコニアセラミックが現状では第一選択となるでしょう。
もし歯の変色が強くなく、健全な色調をしていれば実際にはどちらを用いても仕上がりは美しくなります。
そのような場合には実際に歯を作る歯科技工士の得意、不得意もあるので、技工士の意見を反映して材料を選択する必要もあるでしょう。
当院の場合、現在では前歯のクラウンに用いるセラミックは、9割以上がジルコニアセラミックです。
強度も備えたジルコニアセラミックでも、十分綺麗な見た目に回復できる技量のある歯科技工士と連携していることからわざわざe.maxのようなガラスセラミックを使用する必要がないからです。
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