歯を白く修復するセラミック材料には様々な種類があります。
現在代表的な素材として「ジルコニア」と「e.max」とがあります。
どちらも材料単体では白く輝いており、それぞれの見分けはつきません。
しかし材料の選択をする際には、歯科医師の説明が足りないのか、一般の方はどちらがいいか悩まれるようです。
(先日もinstagramのDMでそれらについての質問を頂きました。)
ネットにはそれらしきことが記載されていますが、全然的外れな内容も多いです。
もうこのジルコニアかe.maxか論争に終止符を打ちたく、今回より複数回に分けて詳細に解説していきます!
まずは用語と性質についてのおさらいをここではしましょう!
そもそもセラミックとは「シリカ系セラミック」と「ノンシリカ系セラミック」とに大別されます。
「シリカ系セラミック」とは別名「ガラスセラミック」と言われ、みなさんご存知の「e.max」がこれにあたります。
(ちなみに「e.max」とはIvoclar vivadent社が販売している高強度なガラスセラミックの「製品名」です。)
ガラスセラミックは文字どおり透明度の高いガラスが練り込まれているイメージで良いです。
透明度が高い、光透過性が高いため歯との色調調和に優れています。
今から10年以上前、世の中にe.maxが普及してきた際には、これまでの脆いセラミックとは違い、高強度を有していたためとても人気が出ました。
その人気は現在も続いており、いまだにe.maxを用いている歯科医師も多いでしょう。
ただ当院を始めとする歯科セラミックに精通した歯科医院では現状使用しなくなりつつあります。
その理由は後の回で述べます。
一方「ノンシリカ系セラミック」の代表格で現在主流なのが「ジルコニアセラミック」です。
e.maxのような製品名で言うと、Noritake社の「カタナ」が有名です。
(なぜかこちらは製品名ではなく、一般名で言われます。)
ガラスセラミックと比較して、ものすごく高強度となりましたが、その分光透過性は悪く、販売当初は透明感のない絵の具のようなマットな白さで審美性に劣る材料でありました。
こちらはガラスセラミックでは抵抗しづらい、強い咬合力のかかる奥歯やブリッジ治療を目的として当初は使用されることが多かったです。
しかしジルコニアセラミックもどんどん開発改良されてきており、現在の主流は強度を低下させ(それでもまだ強いです)、光透過性を兼ね備えた製品も多数販売されています。
それによって「固くて割れにくいけど、そこそこ綺麗である」という性質に変わってきています。
それゆえ両者を使用できる適応範囲が被っているため、歯科医師ですら両者の使い分けに困惑されている現状です。
ここまで両者の用語と性質についてざっと述べましたが、ついてこれているでしょうか?
次回以降はそれぞれを選択する際の基準について述べさせて頂きます。
ご自身の歯を削りたくない方、治療内容について疑問がある場合、下記IDのアカウントにDM頂ければご質問にお応えいたします。
instagram:shinya_dds
Facebook:飯田 真也
一般的な審美歯科よりも高いレベルでの診療をご提供いたします。
当院の審美治療集はこちらへ
↓ カウンセリングのご予約やセカンドオピニオンをご希望の方は下記リンクからご予約ください。
歯科医師
飯田真也