歯科医院には様々な理由をもって来院される方がいます。
1本だけのむし歯治療を希望される方もいれば、大きく全体的に問題を生じている方までいらっしゃいます。
前者の場合は噛み合わせを変えずにその1本の治療に注力すればいいわけですが、後者の場合は現状の噛み合わせに問題を生じている場合が多いので、新たに正常な噛み合わせを与えていかなければなりません。
このように口腔内全体を見渡して治療計画を立案し、実行していく治療を咬合再構成治療(フルマウスリコンストラクション)といいます。
今回はそのような咬合再構成治療について解説いたします。
基本となる考え方は、
・咬合高径は適正か?
・咬合平面に乱れがないか?
・咬合位が適正か?
・アンテリアガイダンスが適正か?
の4項目を達成するようにします。
こちらの方は奥歯がなくなっており、食事が困難にて来院されました。
お口の中を拝見すると、上の奥歯と下の奥歯がなくなっており、前歯でしか上下の歯が当たっていない状況でした。
過去にも入れ歯を作られた経験はあるそうですが、うまく合わずに使用をやめてしまったという経緯があるそうです。
このように奥歯を失って数年経過していると、下顎の位置がだんだんとずれてしまっている方が多いです。
この方も同様な状況でした。したがって現在の噛んでいる位置が正しいという補償はどこにもないため、顎のレントゲンや様々な資料を採得することで正しい位置を模索していきます。
治療の詳細は省きますが、結果としてこのような状態となりました。
上記の4点を整え、上顎には精密部分義歯、下顎左側にはインプラント治療、さらに部分矯正も行い仕上げた状態です。(右側の奥歯はあえて交叉咬合にしてあります。)
食事においては左右の奥歯で何でも食べられる状態になり、見た目にもかなりお口元が若返った印象となっています。
「木をみて森を見ず」ではなく、「木を見て森も見る」よう全体を一口腔単位として捉える治療計画を立案できつ力がないと、咬合再構成治療を成功に導くことはできません。
「むし歯があるからまずそこを治して〜、次には反対側にあるむし歯を治して〜、そのまた次には〜、」というような部分的に完結していく治療では全体像と治療ゴールが見据えられていないため、噛み合わせが乱れたまま不自然に仕上がっている方がよくいらっしゃいます。
(残念ですがそのような乱れを残したままだと、噛み合わせによる負担で数年以内にやり直しとなる可能性も高いです)
複雑な状態が絡み合っている方は咬合再構成治療に精通した歯科医院を受診されることをお勧めいたします。
とは言ってもそのような歯科医院の見分け方が一般の方には分からないと思います。
この見分け方についてはまた後ほど書かせて頂きます!
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