当院ではこどもの矯正治療を積極的に行なっております。
歯並びが乱れていると、どうしても歯ブラシだけでは磨けないところが出てしまいます。
そのような不潔で細菌が繁殖しやすい状況が続くと、必然的にむし歯や歯周病を発症してしまいます。
つまり歯並びを小さい時期にきちんと整えておき、お口の中の清掃環境を整えておけば、大人になったときにむし歯や歯周病で歯を失う割合を少なくすることができます。
むし歯や歯周病で歯や歯周組織が侵されてしまうと、残念ながら治ることはありません。
そのため予防歯科が大変重要になってくるのですが、「小児期の矯正治療」は究極の予防歯科だと考えております。
今回は当院が取り組んでいるこどもの矯正治療法についてご紹介いたします。
マイオブレース、プレオルソという名称の柔らかいシリコン製のマウスピース装置を使用します。
従来の床拡大装置やワイヤーを用いた装置とは治療への考え方が大きく違います。
従来の治療装置は器具を用いて直接歯に力をかけて、意図的に歯を動かすという方法でした。
ところがこれらの装置で治療を行うと、高い確率で後戻りを併発することとなります。
なぜでしょうか?それを解く鍵はこのプレオルソ治療にあります。
これらの装置は歯に直接的な力は加えません。
それよりも歯をとりまく口腔周囲筋に働きかけます。
どのような作用機序かを理解するためには、そもそも歯並びがなぜ乱れてしまったかのか?ということを考えなくてはなりません。
なぜ顎のサイズよりも大きな歯がはえてきたのか?
昔より噛む回数が減ったから?固いものを噛まなくなったから?
それらの影響も多少はあるでしょうが、本質的には「口腔周囲筋が正常に発育していないため、顎の発育も不十分である」と考えられています。
前回も記述いたしましたが、歯並びに大きな影響を与えるのは「唇、頬の筋力」、「鼻呼吸」、「舌ベロの位置」です。
舌が上アゴにピッタリとくっついて、唇は常時閉じている、鼻呼吸をする。
この状態を自然に維持できるようにすることが正常な発育には欠かせません。
ちなみに舌を上アゴにぴったりとつけた状態で口呼吸はできますか?
できないでしょう?このように正常な状態であれば正常な機能を身体は取り戻します。
また鼻呼吸によっても上アゴの骨は成長します。
日々来院されるお子様の様子を見てみると、下記のような方が多いです。
そしてほとんどの子どもの歯並びは乱れています。
プレオルソ治療は昼に1時間と就寝時に装着しているだけで、鼻呼吸を促し、舌や唇に正常な発育をさせます。
おおむね1.5年〜2年程度様子をみていきますが、正常な発育を達成すると結果として歯並びもよくなることが多いです。
この治療で歯並びの改善が行われると、後戻りが少ないです。
なぜかはお分かりだと思いますが、口腔周囲筋肉が正常に発育しているため、歯並びを侵害する動きがなくなるからです。
当院ではこの治療法は現代のこどもにとって必要な治療法であると考えています。
そのため、多くの方が広く治療を受けられるように安価設定にしています。(地域最安値です。)
歯並びだけでなく、その後の人生の健康にとっても有益なプレオルソ治療。
良い成長発育のサポートをスタッフ一同させて頂きます。
歯科医師 飯田真也