みなさんこんにちは!
今日はセラミックの種類について解説いたします。
金属アレルギーをはじめとして、人体に悪影響の恐れがある金属をなるべくなら避けたいと思っている方は多いでしょう。
私たち歯科医療従事者にとってもそれは同じで、患者さまの健康を真剣に考えるなら、悪影響の恐れがある材料はなるべく使いたくないものです。
昨今では「セラミック」材料が金属に代わって台頭しています。(保険適用外です)
現在日本中、どこの歯科医院であっても、最も頻用されているセラミックは「二ケイ酸リチウム(商品名はe.maxなど)」、「酸化ジルコニウム」、「長石系セラミック」でしょう。
分かりやすくするためにここでは名称を
・ジルコニア
・e.max
・長石系
とします。
ここではジルコニアとe.maxの違いについて述べさせていただきます。
一般的にジルコニアは強度が高いですが、不透過性も高いため、透明度が低い傾向にあります。
つまり神経を抜いたあとのような、変色の強い歯に対しては変色部分をマスキングしやすく、審美的に仕上げることができます。
一方e.maxはジルコニアに比べて強度はやや劣るものの、光透過性に優れているため、装着後に自然観を獲得しやすいという傾向があります。
当院の特徴である切削量を少なくしたオクルーザルベニアに用いると、歯とのつなぎ目が肉眼では分からないくらい色なじみがよくなります。
決してどちらかのセラミックが優れているわけではなく、歯の状況によって歯科医師、歯科技工士の判断で適材適所に選択することが大切なのです。
したがって当院では「ジルコニア」「e.max」と分けて料金表には記載しておらず、「セラミック治療」として掲げさせて頂いております。費用はどちらも8万円(税別)となっております。
患者さまの歯と歯列の状況によって、プロとしてベストなマテリアル選択をさせて頂いております。
以下の症例をご覧ください。
こちらは前歯4本を審美的に改善したく、来院された患者さまです。
古い人工歯を外すとメタルコアが装着されていました。
歯を傷つけずに外すことは困難であり、また外す必要もないと判断したため、このままセラミックを製作することとしました。
しかし金属色を遮蔽しなくてはいけないため、光透過性の強い材料は不向きです。
したがってこの症例ではジルコニアフレームにポーセレンを築盛する手法で対応しました。
装着後の状態です。
いかがでしょうか?
金属色は感じられなく、かなり自然観のある状態を獲得できたと思います。
一方e.maxが有効な症例は下のような場合です。
こちらは上の第一大臼歯という咀嚼で最も大切な歯です。古い金属インレーが外れて来院されました。
通常ですと、残っている歯に薄い部分が多いため、保険適用治療では金属やCADCAMによるクラウンを選択されることが多いでしょう。
しかしはたしてそれが本当に患者さまの健康に良いでしょうか?この歯の寿命はどうなるのでしょうか?
当院は一般的な歯科医院よりも歯を保存することに特化した歯科医院ですので、たとえクラウンのように被せなければいけないシチュエーションであっても、よっぽどのことがない限り全周削ることはありません。
必要最低限の部分のみを削り、極力歯を残せるハーフクラウンの形態にて対応することとしました。
実際にセラミックを歯に装着するところです。
余談ですが、セラミックがよく割れてしまうクリニックでは歯との接着操作のどこかに必ずエラーがあります。
セラミックの接着操作はテクニックセンシティブなため、医院によってその実力には差があります。
このようにラバーダム防湿を行い適切な歯面処理を行うことが安定した予後経過には重要です。
セラミックを装着した側面からの様子です。
ハーフクラウン形態を採用することで外側の歯を半分以上、残すことができました。
今回は歯の色調が暗くなく、良好な色調であったため、e.maxを選択しました。
e.maxの特徴として歯とのつなぎ目が分かりにくく、審美的に仕上がるという利点があります。
ジルコニアで同じことを行ってもこのようには仕上がりません。
このように元の歯の色調ひとつをとっても、マテリアル選択に大きな影響を及ぼします。
当然形成量も変わるし、デザインも変わってきます。
私たち歯科医師、歯科技工士はひょっとしたら患者さまには気づいていただけないかもしれないような細かい部分にもこだわりをもって治療しています。
できるだけ歯を削らずに治療をしたい方、きれいで自然な見た目の詰め物被せ物をお考えの方は、一度当院にご相談ください。
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飯田真也